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減量外来で大切にしていること|患者さんと医師の『関係性』が治療を変える理由

減量外来で大切にしていること|患者さんと医師の『関係性』が治療を変える理由

こんにちは。冨田医院の医師、岡田一樹です。

当院の減量外来では、単に体重や食事内容だけを見るのではなく、患者さんのお話をじっくり伺いながら、「なぜその行動が起きるのか」という背景にも目を向けています。

減量というのは、単純に「食べる量を減らしましょう」「運動しましょう」と言われて、それだけで解決するものではありません。

長年の生活習慣、ストレスへの対処方法、自分自身への考え方、人との関係性など、さまざまな要素が関係しています。

そのため、患者さんと医師が時間をかけて向き合う診療では、もう一つ大切なテーマがあります。

それは、「患者さんと医師の間に生まれる関係性」です。

患者さんと医師の間には、その二人だけの関係性が生まれる

人と人が継続的に関わると、そこには必ず関係性が生まれます。

例えば、これまでの人生の中で「失敗すると怒られる」「できない自分は認めてもらえない」と感じる経験が多かった方の場合、医師から体重や生活習慣について話をされたときに、「責められている」と感じることがあります。

もちろん、医師には責めるつもりはありません。しかし、人は過去の経験によって、相手の言葉や態度をどのように受け取るかが変わることがあります。

一方で、このような影響は患者さん側だけに起こるものではありません。

医師側にも、患者さんとの関わりの中で自然に感情が生まれます。

「何とか患者さんの力になりたい」という思いが強いほど、治療が思うように進まないときに焦りや無力感を感じることがあります。

つまり診察室では、患者さんだけではなく、医師側も含めて、お互いの経験や考え方、感情が影響し合いながら、その患者さんと医師だけの関係性が作られていきます。

転移・逆転移という考え方

心理療法の世界では、このような治療関係の中で起こる現象を理解するために、「転移」「逆転移」という言葉が使われることがあります。

転移とは、過去の人間関係の中で身についた感じ方や相手への期待が、現在の人間関係にも影響することです。

例えば、以前から失敗を強く責められる経験が多かった方は、医師との診察でも「失敗したら怒られるのではないか」「先生をがっかりさせてしまうのではないか」と感じることがあります。

これは、医師が実際にそのように考えているという意味ではありません。過去の経験から作られた人との関わり方のパターンが、現在の関係にも影響することがあるという考え方です。

逆転移とは、医師側にも患者さんとの関わりの中で自然に生じる感情や反応のことです。

例えば、「何とか成功してほしい」という思いが強くなったり、治療がうまく進まないときに焦りを感じたりすることがあります。

大切なのは、こうした感情が生じること自体は悪いことではないということです。

人と人が関わる以上、感情や関係性が生まれることは自然なことです。

医師自身が自分の反応を振り返る意味

では、このような患者さんと医師の間に生じる関係性に対して、医師はどのように向き合うのでしょうか。

大切なのは、患者さんだけを変えようとするのではなく、医師自身も自分の反応を振り返ることです。

例えば、治療がなかなか進まないときに、私自身が焦りを感じたり、何とか結果を出さなければという気持ちが強くなったりすることがあります。

そのようなときには、

「なぜ私は今、このような感情になっているのだろうか」

「患者さんとの間で、どのような関係性が生まれているのだろうか」

と考えます。

そうすることで、患者さんを単純に「できていない人」と見るのではなく、「何か困っていることがあるのではないか」「別の関わり方が必要なのではないか」と、新しい視点を持つことができます。

今、患者さんと医師の間で起きていることを言葉にする

医師が自分自身の反応を振り返ることには、もう一つ大切な意味があります。

それは、自分の感情をそのまま患者さんに伝えるためではありません。

患者さんと医師の間で今何が起きているのかを、一緒に理解するためです。

例えば、患者さんは「また体重が増えてしまった」「先生に失望されるかもしれない」と感じているかもしれません。

一方で、医師も「何とか力になりたい」という思いから、焦りや無力感を感じているかもしれません。

そのようなときに、

「もしかすると、私たちは二人とも少し焦りながら治療をしているのかもしれませんね」

と、今起きていることを一緒に言葉にすることがあります。

このように関係性を言葉にすることで、患者さんも医師も、今の状況を少し客観的に見ることができます。

すると、「なぜできないのか」という問題探しから、「どうすれば一緒に進んでいけるのか」という方向へ視点を変えることができます。

その結果、患者さんと医師の関係が変化し、治療が自然に良い方向へ進むことがあります。

減量治療は一緒に作っていくもの

減量外来は、医師が一方的に指導する場所ではありません。

患者さんがこれまで経験してきたこと、現在困っていること、これから大切にしたいことを一緒に整理しながら、その方に合った方法を探していく場所です。

体重という数字だけではなく、その背景にある生活や気持ち、そして患者さんと医師の間に生まれる関係性にも目を向けることで、長く続く減量につながると考えています。

当院は八女市黒木町で診療しております。

減量について悩んでいる方、何度もダイエットに挑戦しては続かなかった方、自分に合った方法を一緒に探したい方は、お気軽にご相談ください。

冨田医院 医師 岡田一樹

医療法人 尚恵会 冨田医院

医院名
医療法人 尚恵会 冨田医院
所在地
〒834-1217
福岡県八女市黒木町黒木87-1
電話番号
0943-42-0173
駐車場
有り