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「痩せたい、でも食べたい」という葛藤は、減量への第一歩です。

こんにちは。冨田医院の岡田一樹です。
減量に取り組もうとするとき、多くの方が心の中で葛藤を抱えられます。「健康のために絶対に痩せたい。でも、美味しいものを我慢せず、たくさん食べたい」。あなたにも、そんな風に心が2つの方向に引き裂かれるような経験はないでしょうか。
「自分は意志が弱いから、こんな矛盾したことを考えてしまうんだ」と、ご自身を責めてしまう方も少なくありません。しかし、医学や心理学の視点から見ると、この状態は決して悪いことではないのです。今回は、この心の中の矛盾の正体と、当院の減量外来がどのようにあなたと一緒に外来を進めていくのかをお話しします。
1. 「痩せたい、でも食べたい」は、一歩前進している証拠
このように、1つの物事に対して相反する2つの感情を同時に抱く状態のことを、心理学では「両価性(アンビバレンス)」と呼びます。
シーソーのように「痩せたい気持ち」と「食べたい気持ち」が入れ替わり、現状維持のままで動けなくなってしまうため、ご本人はとても苦しい状態です。
しかし、よく考えてみてください。「たくさん食べたい」という元々の欲求に対して、新しく「痩せたい、変わりたい」という気持ちが心の中に芽生えてきているからこそ、この葛藤が生まれているのです。つまり、両価性で悩んでいるということは、あなたが健康的な未来に向けて、すでに「一歩前進しつつあるサイン」に他なりません。
2. なぜ当院では、医師が一方的に理由を説明しないのか?
では、このような「両価性」の状態で病院に来られた患者様に対して、当院はどのようにアプローチするのでしょうか。
一般的な病院の肥満外来では、「痩せないと病気になりますよ」「食事をこれだけに制限して、運動をしてください」と、医師が一方的に正しい理由を説明し、指導することが多いかもしれません。しかし当院では、そのような一方的な説明はいたしません。
なぜなら、人間には「他人の言葉よりも、自分自身の言葉を最も強く信じる」という心の性質があるからです。
医師から「食べるのを我慢しなさい」と正論を言われると、人間の心理として、つい心の中で「でも、仕事のストレスがあるから無理なんだよな…」と、食べたい理由の言い訳を言いたくなってしまいます。これでは逆効果になってしまいます。
カウンセリングや心理療法の世界的な名著である『動機づけ面接 第3版』(ウィリアム・R・ミラー著)の中には、このような言葉があります。
「人間は、自分自身が話すのを聴くことによって、自分自身の態度や考えを、その発言通りに形成していく傾向がある。」
つまり、「なぜ痩せる必要があるのか」「どうして変わりたいのか」を、患者様ご自身の口から言葉にして発言していただくことこそが、自分自身の考えを動かし、行動を変える最大の原動力になるのです。
そのため当院では、医師が一方的に教えるのではなく話を聴くなかで、あなたの中にある「健康になりたい」「変わりたい」という前向きな発言を意識して引き出すような関わり方を大切にしています。
3. 目指す方向が一致してから、初めて「計画」を立てる
対話を通じて、あなた自身の口から「やっぱりこれからのために痩せたい」「こういう風に生活を変えてみたい」という言葉が自然と出るようになって、私たち医療者と「目指す方向性(ゴール)」がピタッと一致したとき。そこから初めて、具体的な生活の変化を計画するステップへと進みます。
ゴールが一致していない状態で作った計画は、ただの「義務」や「押し付け」になってしまい、長続きしません。しかし、あなた自身が「変わりたい」と言葉にし、納得して一緒に作った計画であれば、無理なく自然に行動に移すことができるようになります。
当院の減量外来は、対等なパートナーとして知恵を出し合う「協同的なやり方」を徹底しています。
最後に
「痩せたいけれど、食べてしまう」という葛藤の中にいる方は、決して意志が弱いわけではありません。その両価性こそが、減量のスタート地点です。
当院は八女市黒木町で診療しております。何か相談ある方や、気づいたことがある方はいつでも連絡をください。
当院の公式ホームページは下記からお願いします。
『冨田医院 減量外来専用ホームページ』
冨田医院 医師 岡田一樹