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【科学的に痩せる】ストレス下でも挫折しない「ダイエット習慣化」の脳科学

「今年こそは絶対に痩せる!」と決意して始めたダイエット。最初は順調でも、仕事が忙しくなったり、ストレスが溜まったりすると、ついつい元の生活(ドカ食いや運動不足)に戻ってしまい、自己嫌悪に陥った経験はありませんか?
「自分はなんて意志が弱いんだ…」と責める必要はまったくありません。なぜなら、ダイエットが続かない本当の理由は、あなたの根性不足ではなく、人間の「脳の仕組み」にあるからです。
今回は、神経科学の世界的権威であるラッセル・A・ポルドラック教授の著書『習慣と脳の科学』の知見をもとに、減量外来の現場でも重視している「科学的な生活習慣の変え方」について詳しく解説します。
1. ダイエットの決意はなぜ挫折するのか?「前頭前野」の弱点
私たちが「長期的な目標(将来痩せて健康になる)」に向けて、目先の誘惑(目の前のケーキ)を我慢し、行動をコントロールするとき、脳の「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という部分がフル稼働しています。
しかし、この前頭前野には大きな弱点があります。それは、「非常にエネルギー消費が激しく、ストレスや疲れに対して脆弱(脆くて弱い)」という点です。
- 仕事で強いストレスを感じたとき
- 寝不足で集中力が切れているとき
- 日常のタスクに追われて心に余裕がないとき
このような状態になると、前頭前野の機能は簡単に低下してしまいます。結果として、長期的な目標を維持するコントロール力が失われ、脳は最も楽な選択――つまり「元の慣れ親しんだ習慣」へと一瞬で引き戻されてしまうのです。
2. 最強の味方にするべき「習慣化」の科学
では、ストレスに負けずに減量を成功させるにはどうすればいいのでしょうか?その答えこそが「脳の習慣化システム」の活用です。脳には、前頭前野を使わずに「無意識」に行動を処理するシステム(線条体など)が備わっています。一度習慣化された行動には、以下のような驚くべき科学的特徴があります。
① 一度習慣になれば「ご褒美」がなくても自動で動く
最初は「痩せる(報酬)」のために頑張ってやっていた行動も、一旦習慣化してしまえば、脳は報酬を期待しなくても、特定の「きっかけ(刺激)」が入るだけで自動的にその行動を起こすようになります。歯磨きをするときに、いちいち「虫歯予防のご褒美のために頑張ろう」と思わないのと同じです。
② 習慣が深まるほど、手がかりを無視できなくなる
習慣化が進むにつれて、その引き金となる「手がかり(刺激)」を無視することが脳科学的に難しくなります。つまり、「きっかけが入ると、もはや高い確率で自動的に良い行動を取ってしまう」という自動操縦の状態を作ることができるのです。ソファに座るとスマホを触ってだらだらしてしまうというような、家の中のある場所となんらかの行動が繋がっているというのは皆さんよくあることだと思います。
③ ストレスが溜まっている時こそ「習慣」が発動する
ここが最も重要なポイントです。人間は強いストレスがかかると、前頭前野が使えなくなる代わりに、脳の「習慣システム」への依存度が勝手に高まります。つまり、「健康的に痩せる行動」を一度習慣にしてしまえば、ストレスでボロボロの時であっても、脳は自動的にその良い行動を選択してくれるようになります。
hr />3. 科学的に「正しい習慣」を身につける3つのステップ
脳の仕組みが分かったところで、ここからは具体的にどうやってダイエット習慣を作っていくべきか、科学的根拠に基づいたアプローチをご紹介します。
ステップ1:ルールは徹底的に「単純」にする(行動の回数が鍵)
人間の脳は、複雑な選択を嫌い、常に「単純な意思決定」を好みます。「月・水・金は夜19時までに糖質を制限して、火・木は20分ランニング、土日は…」といった複雑なルールは、脳のキャパシティを越えて挫折の原因になります。
ルールは「毎日、夕食のご飯を半分にする」「お風呂上がりに3分だけストレッチする」といったように、限界までシンプルにすることが継続の鉄則です。大前提として、習慣化には行動の「回数」を多く重ねることが何より重要だからです
ステップ2:「意志の力」に頼らず「環境」を変える
最新の心理学や脳科学において、いわゆる「強い意志力(根性)」というものは科学的にあまり証明されていません。成功している人は、意志が強いのではなく、「誘惑に直面する機会(衝動が起こる機会)を最初から減らしている」のです。
特に、太る原因となっている「悪い固定化した習慣」は、過去のきっかけ(手がかり)を目にすると脳内で簡単に復活してしまいます。そのため、意志で我慢するのではなく、以下のように「環境」を調整することが最優先です。
- 家にスナック菓子を買い置きしない(買い置きを見るという「手がかり」を消す)
- コンビニの前を通らないルートで帰宅する(買い食いの「衝動」が起こる機会を減らす)
- 太る習慣と結びついている部屋の配置や動線を変えてみる(古い手がかりを断つ)
4. 当院(減量外来)の診療アプローチ
冨田医院の減量外来では、単に「食事を減らしてください」「運動してください」といった根性論の指導は一切行いません。
当院では、患者さんの物事の捉え方や行動のパターンを整える「認知行動療法」を基本としながら、今回お話ししたような脳科学的な「習慣化のシステム」の側面も意識した診療を行っています。
- あなたの前頭前野を疲れさせているストレス要因は何か?
- 無理なく「自動化」できる、あなただけのシンプルなルールは何か?
- 悪い習慣を断ち切るために、どのように生活環境を調整すればいいか?
これらを医師と患者さんで一緒に話し合い、無理なく、リバウンドのない長期的な健康を手に入れられるようサポートいたします。
習慣化というの能力は人間が手に入れた強力な武器ですが、悪い習慣にも適応されるため諸刃の剣と言えます。私自身もやめたいけど放置している習慣もあり、日々このような習慣化を意識して、必死に変えようと奮闘している所です。
当院は福岡県八女市黒木町で診療しており、「何度もダイエットに失敗して自信をなくしてしまった」という方こそ、ぜひ一度当院へお気軽にご相談ください。
当院の減量外来のホームページは下記から
『冨田医院 減量外来専用ホームページ』
【参考文献】
ラッセル・A・ポルドラック (著), 神谷之康 (翻訳) 『習慣と脳の科学――どうしても変えられないどうしてか』みすず書房
冨田医院
医師 岡田一樹