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ダイエット中に体重測定を避けてしまう理由

ダイエット中に体重測定を避けてしまう理由

こんにちは。冨田医院の医師、岡田一樹です。

当院の減量外来には、日々多くの患者さんが「健康的に痩せたい」と相談に来られます。その中で、私たちが食事や運動と同じくらい、あるいはそれ以上に重要視しているのが「体重測定との付き合い方」です。

実は、減量がうまく進まない方の多くは、体重測定の回数が「極端に少なすぎる」か、逆に「1日に何回も図りすぎてしまう」という、どちらかの極端なパターンに陥っています。

今回は、ダイエットにおける体重測定の重要性と、その回数の裏に隠された「心理的な問題」について、科学的な視点から深く掘り下げてみましょう。


1. なぜ「毎日1回」の体重測定が減量を成功させるのか?

医学的な研究やこれまでの減量データから、「毎日1回、決まった時間に体重を測定する習慣」がある人は、そうでない人に比べて圧倒的に減量に成功しやすいことが分かっています。

その理由は、非常にシンプルです。
体重という客観的なデータを見ることで、「昨日は少し食べすぎたから、今日は歩く距離を伸ばそう」「味付けが濃くて浮腫んでいるから、水分をしっかり摂ろう」といったように、体重測定の結果からフィードバックを受けて自分の生活習慣をリアルタイムで微調整できるようになるからです。体重計は、いわば安全運転を続けるための「カーナビ」のような役割を果たしています。


2. パターン①:体重計に乗るのが怖い。「現実逃避」の心理

しかし、減量外来をしていると、体重測定が「月に数回」あるいは「ここ数ヶ月まったく乗っていない」という患者さんにたくさん出会います。

これは、サボっているわけではありません。心理学的には「体重という現実を突きつけられる恐怖」を避けるための防衛反応(現実逃避)です。「増えているのを見るのが怖いから、乗らない」という状態です。

恐怖を乗り越える唯一の方法

効率よく、そして確実に痩せるためには、この恐怖から逃げずに体重を測定することが不可欠です。では、どうすれば恐怖に勝てるのでしょうか?

心理学(特に行動療法)において、この恐怖を克服する一番良い方法は、「無理にでも毎日はかり続けること」です。「怖いけれど乗ってみる」を繰り返すと、脳は「あれ?増えてはいるけれど、世界が終わるわけじゃないな」「やってみたら、実際には恐れるほどのことではなかった」という新しい事実を学びます。これを心理学で脱感作と呼び、徐々に体重測定に対する過剰な恐怖心が消えていきます。


3. パターン②:1日に何度も図りすぎる。「数字への執着」が不健康を生む

一方で、先ほどのパターンとは真逆に、1日に4回も5回も、トイレに行くたび、お風呂に入るたびに体重計に乗ってしまう人がいます。これも非常に深刻な問題です。

これは「体重の増減に脳がとらわれすぎている状態」を意味しています。

💡 日本肥満学会の「グラフ化体重日記」について
肥満学会などが推奨する手法に、1日4回測定してグラフにする方法があります。確かにデータとしては細かいのですが、私個人の医療現場での印象としては、「1日4回は多すぎる、かえって患者さんを追い詰めてしまう」と感じています。

「とらわれすぎ」が引き起こすダイエットの崩壊

1日のうちで体重が1〜2kg変動するのは、脂肪の増減ではなく、水分量や排泄、食事の重さによる単なる「生理現象」です。しかし、数字にとらわれすぎている人は、100gの増加で一喜一憂し、激しいストレスを感じてしまいます。

この背景には、自分の体に自信が持てない「ネガティブなボディイメージ」が隠されています。これが原因で、以下のような減量の失敗ルート(悪循環)に陥りやすくなります。

  • 極端な食事制限と、その反動による過食: 「少し増えたから絶食する」という無理が、脳の飢餓スイッチを入れてしまい、結果的にドカ食いを引き起こします。
  • 不必要な減量の継続: 医学的にはもう十分に痩せていて健康的であるにもかかわらず、数字への執着から「もっと減らさなければ」と強迫観念に駆られてしまいます。
  • 「全か無か(ゼロ百)思考」による挫折: 「500g増えたから、もう私のダイエットは全部失敗だ!」と極端に考えてしまい、糸が切れたようにダイエットそのものを諦めてしまいます。

4. 当院の減量外来が目指すアプローチ

こうした科学的・心理的な背景を踏まえ、冨田医院の減量外来では、患者さんに対して「毎日1回(それが難しければまずは週に1回)、決まった時間に測定すること」をおすすめしています。

多すぎず、少なすぎず、生活のペースメーカーとしての測定がベストです。

そして当院の診療では、単に「体重を減らしましょう」と指導するだけでなく、「体重測定の回数の裏に隠れている患者さんの心理的な問題(恐怖心や、数字への過剰な執着)」にもしっかりと介入しています。

認知行動療法をベースにしながら、「なぜ体重計に乗るのが怖いのか」「なぜ数字が気になって仕方がないのか」を一緒に紐解き、心が穏やかな状態で健康的に痩せられるようサポートいたします。

当院は福岡県八女市黒木町で診療しており「体重計に乗るのが苦痛でダイエットが進まない」という方こそ、ぜひ一度、当院へお気軽にご相談ください。数字に振り回されない、本当の健康な体と心を一緒に作っていきましょう。


冨田医院
医師 岡田一樹

医療法人 尚恵会 冨田医院

医院名
医療法人 尚恵会 冨田医院
所在地
〒834-1217
福岡県八女市黒木町黒木87-1
電話番号
0943-42-0173
駐車場
有り